巡礼
この巡礼については、常住院の執事道教が大好きな仏様との出会いの一つとして「巡礼」について書いているものです。
真言宗お大師様の尊い教えや、各宗派の開祖の教えをふまえて書いているものです。
巡礼の始まりは、西国33観音霊場が始まりと言われています。
奈良県にある長谷寺の開山徳道上人が病にて仮死状態になられた際、冥土で閻魔大王に会い、 「生前の悪い行いによって地獄へ送られるものが多い故、観音の霊場へ参ることにより功徳が得られるよう、 人々に観音菩薩の慈悲の心を説け」とのお告げを受け、起請文と宝印を授かって現世に戻され、 その証拠でもって人々に観音信仰、及びその霊場へ参ることをすすめられた養老2年(718)より、数えて1300年になります。 徳道上人が極楽往生の通行証となる宝印をお配りになったという場所は、観音菩薩が衆生を救うために示現された霊験所や寺院でした。
このことにより、やがて観音霊場を巡る西国三十三所という信仰となり、西国三十三所は日本最古にして、巡礼の元祖となりました。
そもそも、この三十三という数字は『法華経』普門品第二十五(観音経)に説かれ、 観音菩薩が33の姿に身を変えて人々の心の悩みや苦しみを救うとあります。 いつ、いかなる困難に出会っても、観音菩薩は慈悲の心でもって常に人々を見守っておられ、 一心にその名前を称え、「念彼観音力」(ねんぴかんのんりき)を心に念ずれば、ただちにその声に応じて私たちを救ってくださいます。
このような時、西国三十三所の観音菩薩にお参りし、手を合わせることによって、 心の中に波立つさまざまな苦しみや悩みがしずまり、自分自身を見つめ直し、 人を思いやる慈(いつく)しみの気持ちを持つようになり(現世安穏)、そして、観音菩薩の御前で心をひらくことによって、 それぞれの人生をふりかえり、心を洗い清めれば、極楽往生の一歩となる(後生善処)でしょう。
これが現代の西国三十三所巡礼ではないでしょうか。 総距離1200キロメートルを超える道のりは、1300年もの間、老若男女を問わず、多くの人々の歩いた道であり、 一人一人が観音菩薩とともに充実した人生を歩んだ心の巡礼であります。
この33所の写し霊場と呼ばれるものが全国に広がり各地方に出来たのが、全国にある観音霊場であり、 それ以外にも、不動明王信仰、死蔵菩薩信仰、13仏信仰や弘法大師の足跡をたどる四国八十八カ所霊場など 写し霊場をはじめとして日本には多くの霊場が存在し、2022年現在もその信仰を深めているのです。
常住院ホームページを担当する私自身も、観音霊場・不動明王霊場・地蔵霊場・真言宗・13仏霊場・仏塔古寺等々数えていったらキリがありません。
仏様とのご縁だけでなく、その土地土地の風習や文化を学びながら、郷には入れば郷に従えの考えのもと、仏様の教えを学んでいるところです。
西国三十三所大先達 大先達
洛陽三十三観音霊場 大先達
京都十二藥師霊場 中先達-道教-